シール素材・糊・加工完全ガイド|用途別おすすめラベル選び方 | 初級編!

〜素材選び・糊の種類・加工方法を現場目線で徹底解説〜

シール素材・糊・加工完全ガイドのイメージ

シール制作をする際には「素材」「糊」「ラミネート」「箔押し」など、商品をブランディングするシールとなるために、用途や環境に応じて適切に組み合わせる必要があります。


例えば、シール制作で一般的に使われるミラーコート紙には光沢はありますが、一般的に使われる素材であり味わいはありません。和紙にすることでそのパッケージと商品が味わいや深みを表現できたりもします。


商品棚にはたくさんの商品が並ぶこの時代、コモディティ化した商品とならないためにも、お客様へのファーストインパクトを演出できるのがシールラベルです。 すでにシール制作をしたことがある方も、これからシールを作る方も、多くの方に見ていただきたい内容です!

素材・加工選びの無料相談

用途に最適な素材・糊・加工方法をご提案。サンプル作成も承ります。

目次

  1. シール用紙・フィルム素材の種類
  2. 粘着剤(糊)の種類と選び方
  3. ラミネート加工 / 高級感を出し傷からシールを守る!
  4. ホットスタンピング(箔押し)
  5. 用途別ベストプラクティス
  6. 発注前チェックリスト

シール用紙・フィルム素材の種類と用途別おすすめ

シール制作で最も重要なのがシール素材を選ぶことです。 シール素材には、一般的なミラーコート紙、耐久と耐水性のユポ紙、透明な素材のPETフィルム紙、温かみや特別感を演出する和紙などがあります。 ご予算に応じて決まる部分もありますが、商品をどんなコンセプトで消費者に届けたいかを印刷会社に伝えると、多くの場合は提案をしてくれます。

また、親切な印刷会社であれば、実際にそれぞれの素材で印刷された素材のサンプルを提供してくれるはずです。 初めての場合は分からないことが多いと思いますので、サンプルを請求するのが一番イメージ付きやすいと思います。

下記では、一般的な4種類の素材を比較しながら確認できます。

ミラーコート紙 → 特殊な環境で使わない場合に最適

低コスト 屋内向け 短期使用
発色性
耐水性
★☆☆
コスト

特徴:短期の屋内販促向け。光沢で目を引きやすいが、水濡れ耐性は低め。印刷発色が美しく、コストパフォーマンスに優れます。

最適用途:店内POP、短期キャンペーンシール、室内装飾ラベル、お惣菜の上やちょっとした冷蔵なら剥がれません。

Yupo合成紙 → 強度が必要。特に冷蔵や冷凍環境

中コスト 冷蔵対応 耐水・耐久
耐水性
耐久性
★★☆
コスト

特徴:冷蔵・結露環境でもふやけず耐久。食品瓶や化粧品ラベルに最適。水分を吸収しないためポロポロ剥がれることがなく、低温環境でも安定した性能を維持します。但し、表面がマット紙のため光沢がなく商品が際立つ効果は期待できません。

最適用途:冷蔵食品ラベル、化粧品容器、屋外短期使用、水回り製品

PETフィルム → 最高強度が必要であり、貼付対象の容器や中身を透かしたい場合におすすめ

高コスト 耐水性 長期耐久
最高
耐候性
最高
引裂強度
★★★
コスト

特徴:長期保管用。耐候性・耐引裂性に優れるがコスト高。過酷な環境下でも長期間性能を維持します。

最適用途:工業用ラベル、長期保管商品、機械銘板、透過が必要な環境

和紙・クラフト紙 → 温かみを求める場合。商品に深い味わいが出る。

中コスト エコ素材 高級感
質感
耐久性
★★★
コスト

特徴:高級感演出やエコ商材向け。素材の温かみを演出しブランディングに最も最適。天然素材の風合いが特徴で、環境配慮をアピールできます。

最適用途:高級商品ラベル、エコ製品、ギフト用シール、和風商材

費用に余裕がある場合、一度は和紙のご検討をされることを推奨します。 一般的なミラーコートで出来たシールと和紙を使ったシールでは、味わいや深みが全然異なるのでブランディングに最適であることがお分かりいただけます。

素材に関するおすすめ記事

シールラベルに関しての素材の内容をまとめています。ミラーコート・アート・マットコートを取り上げ、それぞれの違いと利用するポイントを整理しました。

素材に関する比較記事 サムネイル

粘着剤(糊)の種類と選び方ガイド

次に選ぶ内容は糊の種類です。糊は、シールと貼付け対象のものを接着させるための重要な役割をします。 必要ない強度の糊を選んでも費用が余分にかかるだけですし、必要な強度を選べなければシールが剥がれる問題に繋がり再制作のコストがかかる可能性があります。

シールを使用する環境を適切に整理し、利用用途にあった糊を選ぶことが大事です。下記に表形式で分かりやすくそれぞれの糊の特徴を記載しました。

普通糊

低コスト 室温環境 一般用途

特徴:貼り直し少ない短期装飾向け。 安価だが結露や水分に弱い。室温環境での一般的な用途に最適で、コストパフォーマンスに優れます。

適用温度:10℃〜40℃。温度が極端に変わらない用途

最適用途:室内POP、一般商品ラベル、短期キャンペーンシール

注意点:低温・高湿度環境では粘着力が低下する

強粘糊

中コスト 湿潤環境 高粘着

特徴:結露下や振動の多い現場で活躍。 冷蔵庫内など水回りに強い。高い粘着力により、過酷な環境でも確実に固定できます。

適用温度:-10℃〜60℃。温度変化も対応可能

最適用途:冷蔵食品、屋外機器、振動環境、水回り製品

メリット:結露・振動・温度変化に強く、長期間の粘着力を維持

冷凍用糊(トイシ用)

高コスト 冷凍環境 極低温対応

特徴:冷凍→解凍サイクルでも剥がれず、食品冷凍庫ラベルに最適。 極低温でも柔軟性を保ち、温度変化による剥離を防ぎます。

適用温度:-30℃〜40℃。温度変化も対応可能

最適用途:冷凍食品、アイスクリーム、冷凍庫内機器

特殊機能:凍結・解凍の繰り返しに耐える特殊配合

再剥離糊

中コスト 仮貼り 糊残り少

特徴:仮ラベルやイベント用に。 糊残りが少なく、貼り直し自由。低粘着設計により、被着体を傷めずに剥離できます。

適用温度:0℃〜50℃

最適用途:仮ラベル、イベントシール、サンプル商品、一時的な表示

メリット:貼り直し可能、糊残りほぼゼロ、被着体を保護

糊の選択に関しても、親切な印刷会社であれば、テスト利用のためのサンプルを提供してくれますので、 使用用途と環境を伝えてテスト検証されることを推奨します。

シールラベルに関する糊の話

この記事では、シールラベルで使う糊の種類をまとめた記事です。利用環境によって推奨される糊を選ぶことでコストを抑えて適正なシールを制作できます。

糊の種類を比較する記事 サムネイル

ラミネート加工 / 高級感を出し傷からシールを守る!

シールラベルにラミネートをすると「シールにツヤが出る&傷に強く」なります。
食品商品は”お客様が手に取って棚に戻す”を繰り返すことも多いため、お客様の動作ごとに若干ずつシールラベルに傷が付いていきます。 商品に傷が付いてしまうとお客様の購買率に影響が出かねません...。
シールラベルに傷がついてしまうことを防止するために、ラミネートは活用されています。 また、高級感も出ますので、商品ブランディングを最大限高くするためにも注目されます。

光沢ラミネート

特徴:印刷面を保護し、摩擦・水濡れに強く高級感を演出。表面の光沢により色彩が鮮やかに見え、ブランドイメージの向上に効果的です。

  • 耐摩耗性:表面の傷つきを防止
  • 耐水性:水濡れによる印刷面の劣化を防ぐ
  • 高級感:光沢により商品価値を向上
  • 発色向上:色の鮮やかさが増加

最適用途:化粧品ラベル、高級食品、ブランド商品、ギフト商材

小さな食品工房・D2C向け「最初の食品ラベル」完全ガイド

表示内容の整理から素材・糊・ラミネート選定、印刷会社への相談手順まで、最初の1SKUを失敗させない進め方をまとめています。

最初の食品ラベル制作を相談している様子

箔押しで差別化する方法

高級感を最も高める方法として箔押し(ホットスタンピング)があります。費用はそれなりにしてしまいますが、 箔押しを使っている商品は明らかにお客様の手に届きやすいと思っています。

商品棚の前に立って、何となく商品を見た時に、必ずといってもよいほど箔押しされたシールやパッケージに目がいくはずです。 商品がたくさんある現代の社会で箔押しをすることによって、高級感を一段階二段階上げるという戦略はとても良いです。

箔押しには金、銀、メタリック箔と色々と種類があります。何色を使うべきかに関しては、商品との相性で決まりますので、 制作を依頼する印刷会社にはよく相談をすることをおすすめします。

箔押しの事例 冷蔵環境

箔押しを使った高級シール

お菓子屋さんの自慢の一品として、高級感を演出したいというご要望 箔押しを活用した事例です。

詳細を見る

用途別ベストプラクティス:ケーススタディ3選

ケース1:食品ラベル

食品ラベル:要冷蔵食品用シールラベル(要冷蔵 高級ジャムなど)
用紙
Yupo合成紙
強粘糊
加工
ラミネート

選定理由:用紙をYupoにすることにより耐水性を重視。糊も冷蔵/冷凍環境で剥がれないよう強粘糊を使用し、剥がれを99.9%防止する。 ラミネート加工をすることで、Yupoの表面のマット紙感をなくし高級感を出す。

ケース2:化粧品・コスメ

化粧品・コスメ:ジャンプーやリンスなどボトルに貼る用途
用紙
PETフィルム
強粘糊
加工
なし
環境
水が頻繁につき、結露しやすい環境

選定理由:ボトルに貼り後ろを透かしたいためPET紙を使用し、 糊も強度を高めたものを使用。透明PETを使うことでラミネートなしでも高級感を出せる。

ケース3:レストラン店舗内での利用

レストラン:テーブルでのUI/UX向上施策
素材
コート紙 厚さ50
強粘糊
加工
ラミネート
環境
水滴、机拭き上げ、タレなどが付きやすい環境

選定理由:最も高強度といわれるコート紙を使い耐久性を最大限高く。 コート紙によりシールを貼った後ろの机が透けない問題を解消。 強粘により用紙だけでなく剥がれにくさも高くする。 ラミネートをすることで何回拭き上げてもシールに傷が付かないようにする。

実績:レストランで机を見たお客様へのブランディング向上。待ち時間のUI/UXをより良くする。シールにはQRコードを付け効果測定も可能
特にレストランでの活用には焼肉屋などでも活用されている方法が参考になります。

探している素材やシールを利用する環境に耐水性や耐久性を求める場合は、フィルム素材のご紹介をご確認ください。 フィルム素材は耐水性があり耐久性にも優れているシールです。冷凍環境や冷蔵環境で貼ることを想定している場合の選択肢となります。

まとめ&発注前チェックリスト

素材・糊・加工の組み合わせ早見表

用途 推奨素材 推奨糊 推奨加工 期待効果
店内POP
(お惣菜など)
ミラーコート紙
(最も一般的)
普通糊 なし 低コスト・高発色
冷蔵食品 できればYupo
(ミラーコートでも問題ない可能性も有り)
できれば強粘糊
(普通糊でも問題ない可能性も有り)
高級感と傷防止が必要であればラミネート 耐結露・長期耐久
高級商品 おすすめ順
PET>Yupo>ミラーコート
普通糊 ラミネート 高級感・差別化
仮ラベル ミラーコート紙 再剥離糊 なし 貼り直し・糊残り防止
エコ商材 クラフト紙 普通糊 なし 環境配慮・温かみ

成功の秘訣

最適なシール選びは「使用環境の正確な把握」「実環境でのテスト」が重要。
まずは少量でサンプル作成し、実際の使用条件で性能を確認してから本格発注することをお勧めします。

次の一手:専門スタッフへの相談

素材・糊・加工の組み合わせは無数にあり、用途に最適な選択には専門知識が必要です。当社では30年以上の実績を持つ専門スタッフが、お客様の具体的な用途をお聞きして最適な組み合わせをご提案いたします。

「こんな環境で使いたいけど、どの素材がいい?」「コストを抑えつつ耐久性も欲しい」といったご相談もお気軽にどうぞ。サンプル作成も承りますので、まずはお問い合わせください。

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素材・糊・加工の最適な組み合わせを30年の実績を持つ専門スタッフがご提案。
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