フィルム素材-ユポ(YUPO)完全ガイド──耐水・耐久ラベルの最有力候補

フィルム素材ユポ(YUPO)ラベル素材ガイド

耐久性と耐水性に優れている素材でユポをお薦めされたけど、ユポがどういった素材なのかよく分からない。 どういう用途に適していて、他の素材とどう違うのか...。ユポについての情報ならお任せください。 この記事では、フィルム素材の代表であるYupoを徹底的に解説します。


結論として、ユポはフィルム素材の一種であり、破れにくく水に強いという性質を持っています。そのため、 耐久性や耐水性が求められる現場では必ず使われている素材であります。 ただ、マットな質感を持つユポは光沢性と艶はないと思っていただきたく、それを補う方法としてラミネート加工があります。


印刷の営業マンと話さずとも全て情報を記載していますので、ぜひご覧ください。


ユポだけに限らず全体的な用紙の比較をされたい方は、用紙の徹底比較をご確認ください。

※ 実際の耐久性はインク・ラミネート・使用環境で大きく変動します。最終決定前の実機テストを推奨します。

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目次

1. ユポ(フィルム素材)とは?紙とフィルムの"いいとこ取り"

ユポはフィルム素材と呼ばれるシール原紙の一種類で、耐水・耐湿・引張強度に優れ、 破れにくいのが特長です。見た目や触感はマットで一見すると紙に見えますが、 紙よりも水分に強く、フィルムよりも筆記や印刷の親和性が高い"中間解"の素材です。

水に多く濡れる環境、吹き上げによる清掃が多い環境、重要な情報を印字/記載する環境、長期間シールを貼り付ける必要のある環境、 こういった環境下では耐久性と耐水性が求められるので、フィルム素材のYupoを活用するケースが大半です。

ユポの主な特長

  • 耐水性、耐湿性、耐久性
  • マットな質感
  • 破れにくい強度
  • 筆記適性も良し
  • 印刷適性の良好さ

防水シールについての情報をお求めの場合は、防水シールの作り方を徹底解説をご覧ください。

シールがポロポロ剥がれてしまう、シールがペラっと剥がれてしまう...。シールが剥がれる対策についてお求めの場合は、 シールが剥がれる現象への対策 をご確認ください。

2. ユポが向く用途/向かない用途(屋外・耐水の観点)

ユポが使われる用途はたくさんあります。常温環境で大量消費ではないシール用途の場合は、ほとんどの用途でユポを活用することができます。 大量消費の場合はユポを使うかどうかは注意が必要です。ユポは紙素材に比べて1.5~1.8倍くらいの値段が発生します。 使う用途に適した素材を使い無駄なコストを削減しましょう。

向く用途

  • 結露・水ぬれが常態の冷蔵ボトル/パウチ
  • 浴室・サウナ・プールなどの掲示/注意ラベル
  • 厨房・清掃エリアでの手順ラベルや点検シール
  • 屋外の短期〜中期掲示(イベント・工事現場の仮設サイン等)

注意・向かないケース

  • 長期屋外(年単位)の耐候・耐光が必須 → シールラベルではなくステッカーの分類に入ります。
  • 高温環境(熱源近辺)や強摩耗 → 特殊紙を使うことになるので要注意です。
  • ガソリン・強溶剤が直接かかる → 耐薬品設計が必要なシールとなり別途相談です。

3. 【比較表】ユポ vs 紙・PP・PET(相対評価)

ここまではユポをメインに紹介しましたが、同じフィルム素材にPPフィルムとPETフィルムがあります。 ここでは簡単な紹介にとどめますが、ユポは紙風の見た目と耐水が両立しており、 PPフィルムは柔らかいため曲面や小径ボトルに向いています。PETフィルムは耐熱・寸法の安定と擦過に最強と言われています。 比較表をご覧ください。

目安評価:◎=優秀、○=良好、△=注意、×=不向き

指標 ユポ PPフィルム PETフィルム 普通紙
耐水 ×
耐湿・寸法安定
耐熱
印刷・発色 ○(マット) ◎(クリア・精細) ◎(コート紙は特に)
筆記性 ×
価格感(安さ)
曲面適正

用途に応じて最適な素材を選ぶことにより、無駄な費用をかけずにシール制作ができることがお分かりいただけます。 また、フィルム素材といっても種類はたくさんありそれぞれに適正があります。

4. よくある失敗とチェックリスト

よくある失敗として、冷蔵ボトルに対して紙素材を使うとすぐに剥がれるシールとなった、 冷凍ボトルに対してPETフィルムを使っていたが、本来はユポを使って同じ効果で低コストを実現できた などが挙げられます。

せっかく費用をかけてシール制作をされる訳ですから、しっかりと用途に応じた素材を提案してくれる 印刷会社を選ぶことを推奨します。 シールを作りたいと思った場合、2,3社には同じ質問をして素材の提案を聞くことをおすすめいたします。

印刷会社へ投げるためのチェックリスト

  • 使用環境は何か?(温度・湿度・薬品・摩擦)
  • 貼付面はどんなところ?(材質・粗さ・曲面・清掃可否)
  • 表面仕上の希望は?(マット/ラミ・光沢)

5. 発注時に伝えるべき仕様テンプレート

使用環境、貼り付け面、表面仕上の希望に加えて、下記情報があると印刷会社は一発で見積りと素材提案ができます。 一般的な印刷会社はネットから入稿ができますので、デザインがある場合はそれも共有しましょう。 素材の提案と見積り金額を一気に知ることができ時短になります。

発注時の必須情報(時短とやり取りの短縮化)

  • サイズ:シールの大きさは?
  • 巻取り方向とロール芯の大きさ/シートカット
  • 必要枚数:
  • 表面:光沢必要 or マットでもOK
  • 使用環境:水・結露・摩擦・洗剤/アルコールの有無
  • 貼付環境:貼付け対象は何か?
  • 印刷:色数、写真の有無、可変印字(TTR)
  • 想定寿命:屋内/屋外、短期/中期/長期

6. よくある質問(FAQ)

どの素材を選べばいいですか?違いをざっくり教えてください。

ユポ:見た目は“紙っぽい”のに水に強い。表示がはっきり読める。 PPフィルム:やわらかく曲面ボトルに強い。透明も白もOK。 PETフィルム:硬くてキズ・熱・形くずれに強い。透明感が高級。曲面は少し苦手。

冷蔵・冷凍や結露でもはがれませんか?

はがれにくくするには、素材+糊の相性と貼り方が大切です。 結露・曲面が多い → PP+冷蔵対応の糊が安定。 冷凍・水かかりが強い → ユポ or PP/PETに耐水仕様(ラミネート)。 貼る前に水分を拭き取り、角を丸くすると長持ちします。

透明で“容器に直接印刷したみたい”に見せたいです。

PP透明かPET透明が向いています。 曲面や握るボトル → PP透明がきれいに追従。 直線的な容器で高級感重視 → PET透明がよりクリア。

手書き(日付やロット)を書きたいのですが可能ですか?

ユポは油性ペン・鉛筆ともに書きやすいです。 PP/PETは基本つるつるなので、油性マーカーなら可。よく書くなら筆記用の表面処理をおすすめします。

価格はどれが高いですか?

目安はPP ≒ ユポ < PET。 ただし、厚み・サイズ・表面保護・色数で変わります。 目的に合う最小限の仕様にすると無駄なくコストを抑えられます。

7. まとめ

この記事では、フィルム素材の一つであるユポ素材の特徴について解説してきました。 ユポの紹介と同時に、比較検討されることが多いPPフィルムとPETフィルムについてもご紹介をしました。 基本的に、ユポを使う際は耐水性と耐久性に優れ、破れにくいシールが欲しい時には、第一候補としてご提案することができます。 ただし、紙素材よりは金額が高くなるので、用途と環境に適した素材を使うことがおすすめです。

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