1. 食品ラベルを本格的に考えた時、ほとんどの人がつまずくポイント
はじめての食品ラベル制作でよく伺う悩みは、表示・サイズ・相談先・コスト感の4領域に集約されます。
1. 「何を書けばいいか分からない」
- 品名・原材料名・内容量
- 賞味期限/消費期限・保存方法
- 製造者情報・問い合わせ先
- アレルゲン・栄養成分 等
ネットで調べれば情報は出てきますが、自分の商品にはどこまで必要なのか、どの順番・文字サイズで載せるのが良いのかは判断が難しいところです。
2. 「サイズ・形・素材のイメージが湧かない」
- 瓶・パウチ・カップ・袋など容器形状がさまざま
- 縦横サイズ、巻き方、貼る位置を容器に合わせて決定
- 常温/冷蔵/冷凍によって紙かフィルムか、糊の種類が変化
この領域は実物や写真を見ながら決めるのが最も早く、最初から印刷会社に相談してしまった方が遠回りを防げます。
3. 「ネット印刷では相談がしづらい」
- チャット・メール中心で仕様の深掘りが難しい
- 「お客様が決めた内容をそのまま印刷」というスタンスが基本
- 「そもそも何をどう決めればいいかを一緒に整理してほしい」
ネット印刷では個別ニーズに応えきれないケースもあり、仕様決定の壁を越えられないまま時間だけが過ぎてしまいます。
4. 「ラベルで売上が変わるのは分かるが、投資の線引きができない」
- デザイン事務所+印刷会社の2社体制を組むほど予算がない
- でも、ラベルで損はしたくないという思いは強い
コストと売上インパクトのバランス感覚がつかめず、「なんとなく無難」なラベルで発売してしまうことも少なくありません。
2. 小ロット食品事業者にとって、食品ラベルに最低限必要な3つの要素
完璧を狙うほど前に進めなくなります。まずは表示・見栄え・耐久の3要素を確実に押さえましょう。
1. 表示:必要な情報を過不足なく
- アレルゲンなど安全に関わる情報の漏れをゼロに
- 行政指摘や問い合わせに耐えられるレベルで整理
- 小さなラベルでも読みやすい文字サイズとレイアウト
「食品表示専門のコンサルに頼むほどではないが、ゼロから一人でやるのは不安」という規模感こそ、私たちが最もお手伝いしているゾーンです。
2. 見栄え:棚前1秒で伝わる情報設計
- 甘い/しょっぱい、ギフト/日常などが一目で伝わる
- 競合と並んでも色・余白・書体で埋もれない高コントラスト設計
- ブランドの世界観(ナチュラル/ラグジュアリー 等)を瞬時に表現
ラベルは小さなパッケージ広告です。ここへのミニマム投資が売上を左右するケースが多くあります。
3. 耐久:使用環境に合わせて「ちゃんと持つ」仕様
- 常温/冷蔵/冷凍・水滴や油分の有無を前提に素材を選定
- 紙/フィルム、糊種や再剥離の可否を決定
- 剥がれ・滲み・色落ちを防ぐため印刷現場と擦り合わせ
デザインが良くても「剥がれる/滲む」のは本当にもったいない領域。現場と相談しながら進めるほど事故を防げます。
上記3つの内容をすべて網羅して、かつコストは最小限に抑えたプランを毎回ご提案させていただきます。 特に販売をスタートした最初は、売上が立つかどうかが分からない不安も多くあると思いますので、 小さく初めて徐々に改善していくというスタンスでサポートをさせていただきます。
3. 美濃屋加工紙にご相談いただく場合の進め方
実際の相談フローを5ステップでご紹介します。各ステップで準備していただきたい情報も明確にしました。
STEP1:商品の情報と容器の写真を共有
ヒアリングでは、次の内容を伺います。
- 商品名(例:いちごジャム、塩パン、ミートソース など)
- 販売場所(自店舗/委託販売/EC など)
- 想定販売価格帯
- 容器の種類とおおよそのサイズ
- 保存方法(常温/冷蔵/冷凍)
- 初回発注予定枚数(目安でOK)
容器に商品が入った状態の写真を数枚お送りいただけると、貼り方や視認性のイメージが一気に共有できます。
STEP2:ラベル構成(どこに何を書くか)のたたき台を作成
いただいた情報をもとに、以下を整理したラフ資料を作ります。
- 必要な表示項目の洗い出し
- ラベルの貼付位置とサイズ感の仮決め
- 表裏で分けるか、1枚に集約するかの検討
この段階はデザインというより「情報設計」です。抜け漏れがないかを一緒に確認します。
STEP3:素材・糊・仕上げ(耐久性)の設計をご提案
使用環境に応じて、次のような仕様を決めていきます。
- 紙(コート/マットコート/和紙 等)かフィルム(ユポ等)か
- 常温用標準糊か、冷蔵・冷凍に強い糊か
- ツヤあり/なし、保護ラミネートの有無
小ロット印刷方式から大ロット機械の使用へ切り替えるタイミングや運用面の相談も同時に承ります。
STEP4:デザイン(AI+人のブラッシュアップ)をご提案
AIによるたたき台とデザイナーのブラッシュアップを組み合わせ、手の届く価格帯とクオリティを両立します。
- ナチュラル・手作り感重視
- シンプル・ミニマル
- ポップでカラフル
- 和風・和モダン など
ヒアリング内容に合わせて複数方向性をご提示し、「お店の顔になる」仕上がりまで伴走します。
シールラベルにおけるデザインの考え方が気になる方はシールラベルのデザインをご覧ください。
STEP5:小ロットで印刷し、現場で検証
いきなり大量印刷せず、小ロットで検証する流れをおすすめしています。
- まずは必要枚数だけ印刷
- 店頭・ショーケース・通販写真での見え方を確認
- 色味・文字サイズ・キャッチコピーを必要に応じて微調整
「想像より目立たなかった」「情報が多すぎた」といった違和感は、実際に並べてみて初めて気付くことが多いからです。
とにかく最初の食品シールラベル制作は、小ロットから始めるが鉄則です。 この記事を読んでくださっているオーナー様も小ロットでのスタートを希望されている場合は、 小ロットの料金確認 を使って実際の金額を確かめてください。
4. 費用感の目安と、「どこまで無料/どこから有料か」
ここでご紹介する金額はあくまで目安です。実際には紙種やサイズ、加工内容で変動します。
食品ラベル制作のざっくり目安
常温用の瓶ラベル(紙・500枚程度)の場合:
- ラベル印刷費:4,000~5,000円
- デザイン費(ラフ+3回修正):2,000円〜
- ブランドをしっかり作り込む場合:30,000円〜
※紙種・サイズ・加工で大きく上下します。
無料で対応しやすい範囲
- ラフ+3回修正でデザインが完了するケースがほとんどです
- AIを活用させていただくことになります
- 容器写真をもとにしたサイズ・貼付位置のアドバイス
有料をおすすめする範囲
- 複雑で抽象度が高い場合のデザイン(30,000円〜)
- 複数SKUを同時に立ち上げるシリーズデザインの設計
- 店頭POPやパンフレット、EC画像まで含めた一式制作
「まずは1SKUだけ、様子を見ながら進めたい」という方には、印刷+簡易デザイン込みの小さなパッケージプランがおすすめです。
5. こんな方は、ぜひ一度ご相談ください
皆様の状況別に迷うポイントは違います。次のようなお悩みがあれば遠慮なくご連絡ください。
- 地域のジャム・焼き菓子・惣菜店など、小さな食品工房を運営されている方
- 農産物や加工品(ジュース/ジャム/ドレッシング等)のD2C販売を始めた/始めたい方
- 家庭용プリンタで自作していたが、そろそろプロの印刷に切り替えたい方
- ネット印刷を使ってみたが、仕様や表示の相談がしづらくモヤモヤしている方
- ラベルを変えて売場での見え方や売上をもう一段引き上げたい方
「こういうケースでも相談していいのかな?」という内容でも構いません。ラフなアイデア段階からお気軽にどうぞ。
6. ご相談フォームで伺いたいこと(事前準備のチェックリスト)
以下の項目をご用意いただくと、弊社から状況を確認させていただいた際の見積り金額やご提案の精度がグッと向上します。
- お名前・法人名(屋号)
- ご連絡先メールアドレス・電話番号
- 商品名・カテゴリ(例:いちごジャム、クッキー、総菜パン 等)
- 販売予定場所(自店舗/委託販売/EC/イベント 等)
- 想定販売価格帯(例:1個◯◯円前後)
- 容器の種類(瓶・袋・カップ・パウチ 等)
- 保存方法(常温/冷蔵/冷凍)
- 1回目の想定発注枚数(例:おおよそ500枚 など)
- 現在のラベル有無(自作ラベルの写真などがあれば添付)
- ラベルで特に重視したいこと(高級感/かわいさ/ナチュラル感/視認性 等)
- その他、現状のお困りごとやご要望
7. まずは「最初の食品ラベル1種類」から、ご一緒させてください
最初の食品ラベルづくりは、「売場に自分のブランドが並ぶ」最初の一歩です。情報が多すぎて動けないときは、印刷会社を「単なる出力先」ではなく「最初の相談相手」として活用してください。
表示整理から素材・耐久設計、デザイン検証、小ロット印刷までまとめて伴走します。
ラベルのことを一緒に整理するところから、お手伝いさせていただきます。