再剥離シール(綺麗に剥がれるシール)の作り方|糊残りを防ぐ選び方と発注ポイント

再剥離シールの種類と糊残りを防ぐ選び方をプロが解説

綺麗に剥がれるシールの作り方|再剥離シールの種類と糊残りを防ぐ選び方をプロが解説のイメージ

「お気に入りのアイテムに貼ったシールが剥がれない」「商品ラベルを剥がしたらベタベタの糊が残ってしまった」……。そんな経験はありませんか?

シールやラベルを「貼る」ことと同じくらい大切なのが、実は「綺麗に剥がす」ことです。特にビジネスシーンにおいては、剥がし跡の有無が商品のブランドイメージを左右することさえあります。

本記事では、「綺麗に剥がれるシール(再剥離シール)」の作り方と選び方について、シールのプロの視点から徹底解説します。素材の選び方から、万が一剥がれなくなった時の対処法まで、この1ページで全てがわかる保存版ガイドです。

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目次

  1. 1. 綺麗に剥がれるシールとは?「再剥離シール」の基礎知識
  2. 2. 【プロが教える】失敗しない再剥離シールの作り方・選び方
  3. 3. 再剥離シールの主な種類と素材の特徴
  4. 4. シールの「剥がれやすさ」に影響する4つの要因
  5. 5. 事例実績|運送会社で使われる再剥離シール
  6. 6. 【トラブル解決】シールが剥がれない・糊が残った時の対処法
  7. 7. 失敗しない!再剥離シールのオーダー・発注ガイド
  8. 8. まとめ:用途に合わせた「綺麗に剥がれるシール」選びを

1. 綺麗に剥がれるシールとは?「再剥離シール」の基礎知識

まず最初に知っておきたいのが、「再剥離(さいはくり)シール」という言葉とその性質についてです。

再剥離シールと一般的なシールの違い

一般的なシールは、一度貼ったら剥がれないこと(強粘着)を目的としています。それに対し、再剥離シールは「一定期間貼った後でも、糊残りせず綺麗に剥がせること」を目的として設計された特殊なシールです。

なぜ綺麗に剥がれるのか?粘着剤の仕組み

シールの構造は大きく分けて「表面の素材(基材)」「粘着剤(糊)」「剥離紙(台紙)」の3層でできています。再剥離シールが綺麗に剥がれる理由は、その粘着剤に秘密があります。

  1. 凝集力が高い:粘着剤そのものの結びつきが強いため、剥がす時に糊が分裂して被着体(貼る側)に残りにくい。
  2. 経時変化が抑えられている:時間が経っても粘着力が上がりすぎないよう、化学的な調整がなされている。

主な活用シーン

再剥離シールは上記でご説明した性質のように「後からシールの情報が不要になる」といった状況下で使っていただくことを推奨します。 詳しくは第5章の事例実績でもご説明しますが、簡単な例としては下記のような使用方法があります。

  • 販促・キャンペーン:期間限定のPOPや、後で剥がす必要がある値札。(一定期間の情報提示)
  • 家電・精密機器:購入後に剥がす注意書きラベル。(一定期間に必要な情報提示)
  • オフィス・インテリア:賃貸の壁紙、ファイルの見出し、PCの資産管理シール。(後から情報が必要なくなる)
  • 物流・再利用:通い箱(オリコン)の配送ラベルなど、何度も貼り替える場所。(使う場所によって必要な情報が異なる)

再剥離シールは、普通のシールラベルと異なり剥がす前提での運用にはぴったりの性質です。再剥離の特徴を活かしてより良いシールラベルの運用をお手伝いいたします。

2. 【プロが教える】失敗しない再剥離シールの作り方・選び方

「綺麗に剥がれるシールを作りたい」と考えたとき、単に「再剥離で」と注文するだけでは不十分です。 親切な印刷会社であればどのような運用を希望されているか?を伺いますが、事前に基礎知識を押さえておくことを推奨します。 貼る場所や環境によって、最適な組み合わせが異なるからです。

ステップ1:用途に合わせて「粘着力」を選ぶ

再剥離と言っても、糊の強さ/強度は低いものから強いものまで数段階に分かれています。

粘着タイプ 特徴 主な用途
弱粘再剥離 非常に弱い力で剥がれる。跡が残る心配がほぼない。 付箋、デリケートな紙製品、ガラス
中粘再剥離 適度な粘着力と剥がしやすさのバランスが良い。 商品ラベル、家電の注意書き
強粘再剥離 しっかり貼れるが、ゆっくり剥がせば跡が残らない。 屋外POP、ざらついた面、長期間の貼付

ステップ2:被着体(貼る場所)の素材を確認する

「何に貼るか」は、シールの作り方において最も重要な情報です。

  • プラスチック(PP/PEなど):粘着剤との相性があり、剥がれやすすぎる、または逆に密着しすぎることがあります。
  • 金属・ガラス:平滑なため密着しやすいですが、長期間放置すると糊が固着しやすい傾向があります。
  • 紙(ダンボール・封筒):シールの粘着が強すぎると、剥がす時に下地の紙を破いてしまいます。
  • 壁紙(クロス):凹凸があるため、少し強めの再剥離が必要ですが、素材によっては塩ビ反応で剥がれなくなるリスクがあります。

ステップ3:シールの「表面素材」を決める

シールの表面が破れてしまうと、剥がす作業は一気に困難になります。

  • 紙系(アート紙・上質紙):安価ですが、水に弱く、剥がす時に途中で破れやすいデメリットがあります。筆記性を重視する場合は上質紙が最も向いています。
  • フィルム系(ユポ・PET):強度が強く、引っ張っても破れないため、耐久性を求める場合には再剥離シールに非常に向いています。

3. 再剥離シールの主な種類と素材の特徴

再剥離シールは3層から構成されるシールの粘着部分に特徴がありますので、粘着剤以外の選択肢はたくさんの種類があります。以下では、再剥離シールで使われる代表的な素材を紹介します。

1. アート紙(再剥離)

最も一般的な紙素材です。光沢があり印刷も綺麗ですが、湿気には弱いため、屋内かつ短期間(数週間〜数ヶ月)の利用に向いています。
アート紙は印刷が綺麗に表現されることから、3色やフルカラーなどの多くの色を使う場合におすすめです。 となると、イラストやロゴの可能性が高くなりますので、再剥離で使うケースはあまりなく、どちらかというと長期的に貼り付け期間が長い運用で使われることが多いです。

2. 合成紙(ユポ)

プラスチックを主原料とした紙で、非常に破れにくいのが特徴です。水濡れにも強いため、シャンプーボトルや屋外イベントの掲示物など、「絶対に途中で破れてほしくない再剥離シール」に最適です。
ただし、耐水性や耐久性のユポを選択し再剥離シールを作る場合には、サンプルによるテストをかなり推奨します。再剥離シールの糊の強度では耐得られない可能性があるため、 どこに貼り付けを行う予定なのかを慎重に確認すべきです。

3. 透明PET / 白PET

耐久性と耐熱性に優れたフィルム素材です。見た目が美しく、高級感を出したい場合や、家電製品の定格ラベルなど長期的な使用が想定される再剥離に適しています。
透明な素材を選択される場合は、透明シールの作り方もぜひ参考にしてみてください。

4. 上質紙

紙本来の性質が活かされており、筆記性に優れています。コピー用紙とイメージはかなり近い素材です。筆記性に優れているものの、水に弱く耐久性のある素材ではありません。ただ、安価ですので選択のうちの1つになります。

4. シールの「剥がれやすさ」に影響する4つの要因

「再剥離で作ったのに剥がれない!」というトラブルを防ぐために、粘着力に影響を与える外的要因を理解しておきましょう。

① 温度の影響

粘着剤は熱に反応します。夏場の車内や直射日光の当たる場所では、粘着剤が柔らかくなり、被着体と「同化」してしまう現象が起こります。逆に寒冷地では粘着剤が硬くなり、剥がす時にポロポロと砕けて糊残りの原因になることがあります。

② 経年劣化

再剥離シールには「賞味期限」があります。一般的に、綺麗に剥がせる目安は半年〜1年程度です。数年も貼りっぱなしにすると、粘着剤が酸化・劣化し、強粘着シールよりも剥がしにくくなる「経時劣化」が起こります。

③ 被着体の凹凸

表面がツルツルしているほど密着度が高まり、剥がす時に力が必要です。逆にザラザラしている面には、再剥離でも「強粘タイプ」を選ばないと、剥がす前に自然に剥がれ落ちてしまいます。

④ 可塑剤(かそざい)の移行

塩化ビニル素材(ソフトビニールなど)にシールを貼る場合、素材に含まれる「可塑剤」という成分がシールの糊を溶かしてしまうことがあります。これを防ぐには「耐可塑剤用」の再剥離糊を選ぶ必要があります。

5. 事例実績|運送会社で使われる再剥離シール

再剥離シールは、物流・運送の現場で特に活躍しています。ここでは、運送会社で活用されている 運搬情報ラベル(再剥離可能) の制作事例をご紹介します。

運搬情報ラベル(黄色)|段ボール用記入式ラベル

段ボール箱のロット管理や出荷表示に使う記入式ラベルです。黄色地に黒罫・黒文字の二列五段レイアウトで視認性と記入性を両立し、 倉庫や加工場でも情報を瞬時に読み取れる設計になっています。再剥離のりを採用しているため、剥がす運用に最適です。

用途
運搬情報・ロット管理・出荷表示
素材
上質紙(黄色)
仕様
記入式・黒1色・高コントラスト
粘着
再剥離(剥がす運用)

制作事例を見る

運搬情報ラベル(黄色)の使用例

再剥離シールが活きる用途(3つ)

  • 情報の「有効期限」が短い:得意先・ロット・加工日・使用期限・仕分け番号など、出荷〜納品までが役割の情報は、終了後は無効化され誤認リスクになります。
  • 箱(ダンボール)の再利用:返品・再出荷・拠点間移動・通い箱運用では、剥がせないラベルは箱廃棄につながります。再剥離なら表面を傷めず貼替え可能です。
  • 誤配送・誤仕分けリスクの排除:旧ラベルが残ると二重バーコードや旧情報の誤読が発生します。完全に剥がせる設計が必須です。

6. 【トラブル解決】シールが剥がれない・糊が残った時の対処法

もしも「シールが剥がれない」「シールの糊を剥がしたい」という状況に陥ったら、以下の方法を試してみてください。

ドライヤーの熱を利用する

粘着剤は温めると柔らかくなる性質があります。ドライヤーで数十秒温め、端からゆっくりと剥がすと、糊がシール側に付着したまま綺麗に剥がれる確率が上がります。

注意:プラスチック製品は熱で変形する恐れがあるため、近づけすぎに注意してください。

シール剥がし剤(溶剤)を正しく使う

市販の「ラベル剥がし」には、粘着剤を溶かす成分(オレンジオイルや石油系溶剤)が含まれています。

  1. シールの表面に液を塗り込む(フィルム系の場合は端から流し込む)。
  2. 数分放置して、糊に液を浸透させる。
  3. ヘラ(スクレイパー)などで優しくこそぎ落とす。

身近なもので代用するテクニック

専用の薬剤がない場合、以下のものが役立ちます。

  • ハンドクリーム:油分が粘着剤を浮かせてくれます。糊残りの部分に塗り、10分ほど置いてから拭き取ります。
  • セロハンテープ:残った小さな糊の粒は、新しいテープの粘着面で「ペタペタ」と叩くようにすると、テープ側に移って取れることがあります。
  • 消しゴム:広範囲のベタベタには不向きですが、狭い範囲の糊残りなら消しゴムでこすり落とすことが可能です。

7. 失敗しない!再剥離シールのオーダー・発注ガイド

シールを使いたい担当者様が当社のような印刷会社に再剥離シールを依頼する際は、以下の情報を伝えると確実です。

  • 「いつ」剥がすのか?:1週間後なのか、1年後なのか。
  • 「何に」貼るのか?:金属、ガラス、段ボール、または「凹凸のあるプラスチック」など具体的に。
  • 「どこで」使うのか?:屋内、屋外、冷蔵庫内、高温になる機械の表面など。
  • サイズと数量:小ロットならオンデマンド印刷、中〜大ロットなら凸版印刷がコストメリットが出ます。
プロのアドバイス:初めての素材や環境で使用する場合、必ず「サンプル」を取り寄せて、実際の被着体に貼ってテストすることをおすすめします。 24時間以上放置してから剥がしてみて、期待通りの挙動をするか確認するのが最も確実なリスク回避です。

8. まとめ:用途に合わせた「綺麗に剥がれるシール」選びを

「綺麗に剥がれるシールの作り方」の正解は、「用途・素材・環境のミスマッチをなくすこと」に尽きます。

  • 剥がすことが前提なら、必ず「再剥離タイプ」の粘着剤を指定する。
  • 破れによるストレスを防ぐなら、フィルム系(ユポやPET)を選ぶ。
  • 貼る場所の素材(プラスチックや紙など)に合わせて粘着の強さを調整する。

これらのポイントを押さえるだけで、シール剥がしの悩みは劇的に解消されます。お客様の手を煩わせない、スマートなラベル作りを目指しましょう。

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