自作プリンタの“にじむ・かすれる・詰まる”完全解決ガイド【切替基準付き】

症状→原因→即解決の早見表と、外注へ切り替える定量基準をまとめました

プリンタトラブルを解決する様子

インクジェットで発生するにじみ・かすれ・紙詰まりは、その場で調整しても再発しがちです。症状ごとに原因と対処を押さえつつ、「どこで外注に切り替えるべきか」を数字で見極められるようにしておくと、内製のムダを最小化できます。


本記事は小ロットの常温用途を主眼にしていますが、当社では冷蔵・冷凍向け仕様も小ロットで対応可能です(可変印字のみ非対応)。2回直しても再発する場合は、面付けやデザイン自体を見直すタイミング。まずは小ロット外注で試し、結果が良ければ同条件で増刷するのが最短ルートです。


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常温×光沢紙×シート仕上げの概算と必要シート数を30秒で表示。自作コストと比較して判断しましょう。

目次
  1. まず直す:症状→原因→即解決(早見表)
  2. 再発するなら“やめ時”判定(定量目安と簡易式)
  3. 外注で解決できること/できないこと
  4. “にじみ・かすれ”を出にくくするデザイン実戦ルール
  5. 次の一手
  6. よくある質問(FAQ)

まず直す:症状→原因→即解決(早見表)

現場で頻度の高い症状・主原因・即効性のある対処を表にまとめました。同じ症状で2回以上再発する場合は、用紙や面付けを含めた設計レベルでの見直しが必要です。

症状 主な原因 即解決アクション
にじむ 用紙吸収率とインクの相性/湿度/乾燥不足 光沢紙向けドライモードに設定/印刷後30分以上乾燥/耐水紙・速乾紙へ切替
かすれる ヘッド目詰まり/インク残量不足/広すぎるベタ面 ノズルクリーニング→テスト印字/ベタ面をトーンダウン/インクカートリッジ交換
紙詰まり・波打ち 厚み・曲面/給紙ローラー汚れ/サイズが大きすぎ ローラー清掃+一枚ずつ給紙/角R2〜3mmを付与/面付けサイズを一段小さく調整
色ムラ・濃淡 インク残量ばらつき/紙粉混入/RGBデータのまま印刷 RGB→CMYKに変換/紙粉をブロワーで除去/インクを同ロットで補充

2回試しても再発するようなら、概算ツールで外注コストを確認し、設計ごと見直す方が早道です。

再発するなら“やめ時”判定(定量目安と簡易式)

下記のうち2つ以上該当したら、外注に切り替えるサインです。自作コストを“材料費だけ”で見ていると損をします。

  • 同じ症状で再印刷が2回を超える
  • 不良率が5%超(にじみ・ムラ・欠け)
  • 1ジョブ30分以上(面付→印刷→手切り→台紙剥がし)
  • 50〜80cmで商品名・価格が読めない
  • 角欠け・剥がれが出る(角Rなし/余白不足)
時間の買い物ロジック
差額(外注 − 自作) < あなたの時給 × 1時間  →  外注が合理的
※自作総額には「人件費 + 不良ロス + 固定費按分」を必ず含める。

迷ったら:自作の実コストを洗い出し、外注総額は概算ツールで即取得して比較しましょう。

外注で解決できること/できないこと

当社で解決できる範囲と対応できない項目を整理しました。常温用途が中心ですが、冷蔵・冷凍の小ロットにも対応可能です。

できること

常温/冷蔵/冷凍まで小ロット対応(仕様選定が必要)。シート仕上げ10〜1000枚、角R2〜3mm・塗り足し2mm・全数検査でムラを抑制。同条件での増刷により見え方を再現し、注文確定から48時間で出荷、3日目到着が目安です。

できないこと

可変印字(連番・バーコード・個別ID)は非対応。必要な場合は専門の可変印刷サービスをご検討ください。

使い分け:常温×光沢紙の概算はツールで即確認。冷蔵・冷凍仕様は素材・粘着の選定が必要なため、まずはお問い合わせで用途をお知らせください。

“にじみ・かすれ”を出にくくするデザイン実戦ルール

根本的なトラブル回避には、データ設計のルールを守ることが効果的です。すぐに見直せる実戦ルールをまとめました。

  • 文字・線の下限:本文7pt以上、見出し9〜10pt、線幅0.3pt以上。細い明朝や薄色文字は避ける。
  • コントラスト設計:白地×濃色文字が基本。写真上には白帯や影で可読性を確保。
  • ベタ面・写真:広いベタは面積を縮小またはトーンアップ。写真は原寸300dpiで書き出し時にシャープを強めに。
  • 黒の扱い:本文や細線はK100のみ。大きなベタのみ必要に応じてリッチブラック。
  • 仕上げ指示:塗り足し2mm・角R2〜3mmを図形で明示し、外側余白に2mm以上とる。
即修正の例:0.1pt線→0.3pt/薄グレー文字→濃色に変更/写真上の白文字→白帯や半透明ボックスを追加。

次の一手

切り替えを検討する際は、まず小ロットで外注テストを行い、かすれ・にじみ・ガタつきが解消されるか確認してください。

  • 10〜50枚で外注テスト → 概算ツールで価格と面付けを確認
  • 冷蔵・冷凍仕様やデザイン制作が必要なら お問い合わせ
  • 結果が良ければ同条件で増刷し、単価と再現性を安定化

よくある質問(FAQ)

Q. 自作でにじみが止まらないときの最優先対処は?

A. 用紙とインクの相性、乾燥時間、角Rの有無を見直し、それでも改善しなければ外注切替のサインです。

Q. 小ロットでも常温以外に対応できますか?

A. はい。冷蔵・冷凍向けにも小ロットで対応できます。用途に合わせた素材選定が必要なのでお問い合わせください。

Q. 可変印字はお願いできますか?

A. 申し訳ございませんが可変印字は非対応です。連番やバーコードが必要な場合は専門の可変印刷サービスをご利用ください。

この記事を書いた人

永谷 育己

永谷 育己

営業責任者 兼 品質管理責任者

年間5,000件以上の小ロット案件をリードし、プリンタトラブルの代替提案も多数。面付け・素材選定・加工を組み合わせ、最短ルートを組み立てるのが得意です。

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