まず直す:症状→原因→即解決(早見表)
現場で頻度の高い症状・主原因・即効性のある対処を表にまとめました。同じ症状で2回以上再発する場合は、用紙や面付けを含めた設計レベルでの見直しが必要です。
| 症状 | 主な原因 | 即解決アクション |
|---|---|---|
| にじむ | 用紙吸収率とインクの相性/湿度/乾燥不足 | 光沢紙向けドライモードに設定/印刷後30分以上乾燥/耐水紙・速乾紙へ切替 |
| かすれる | ヘッド目詰まり/インク残量不足/広すぎるベタ面 | ノズルクリーニング→テスト印字/ベタ面をトーンダウン/インクカートリッジ交換 |
| 紙詰まり・波打ち | 厚み・曲面/給紙ローラー汚れ/サイズが大きすぎ | ローラー清掃+一枚ずつ給紙/角R2〜3mmを付与/面付けサイズを一段小さく調整 |
| 色ムラ・濃淡 | インク残量ばらつき/紙粉混入/RGBデータのまま印刷 | RGB→CMYKに変換/紙粉をブロワーで除去/インクを同ロットで補充 |
2回試しても再発するようなら、概算ツールで外注コストを確認し、設計ごと見直す方が早道です。
再発するなら“やめ時”判定(定量目安と簡易式)
下記のうち2つ以上該当したら、外注に切り替えるサインです。自作コストを“材料費だけ”で見ていると損をします。
- 同じ症状で再印刷が2回を超える
- 不良率が5%超(にじみ・ムラ・欠け)
- 1ジョブ30分以上(面付→印刷→手切り→台紙剥がし)
- 50〜80cmで商品名・価格が読めない
- 角欠け・剥がれが出る(角Rなし/余白不足)
時間の買い物ロジック 差額(外注 − 自作) < あなたの時給 × 1時間 → 外注が合理的 ※自作総額には「人件費 + 不良ロス + 固定費按分」を必ず含める。
迷ったら:自作の実コストを洗い出し、外注総額は概算ツールで即取得して比較しましょう。
外注で解決できること/できないこと
当社で解決できる範囲と対応できない項目を整理しました。常温用途が中心ですが、冷蔵・冷凍の小ロットにも対応可能です。
できること
常温/冷蔵/冷凍まで小ロット対応(仕様選定が必要)。シート仕上げ10〜1000枚、角R2〜3mm・塗り足し2mm・全数検査でムラを抑制。同条件での増刷により見え方を再現し、注文確定から48時間で出荷、3日目到着が目安です。
できないこと
可変印字(連番・バーコード・個別ID)は非対応。必要な場合は専門の可変印刷サービスをご検討ください。
使い分け:常温×光沢紙の概算はツールで即確認。冷蔵・冷凍仕様は素材・粘着の選定が必要なため、まずはお問い合わせで用途をお知らせください。
“にじみ・かすれ”を出にくくするデザイン実戦ルール
根本的なトラブル回避には、データ設計のルールを守ることが効果的です。すぐに見直せる実戦ルールをまとめました。
- 文字・線の下限:本文7pt以上、見出し9〜10pt、線幅0.3pt以上。細い明朝や薄色文字は避ける。
- コントラスト設計:白地×濃色文字が基本。写真上には白帯や影で可読性を確保。
- ベタ面・写真:広いベタは面積を縮小またはトーンアップ。写真は原寸300dpiで書き出し時にシャープを強めに。
- 黒の扱い:本文や細線はK100のみ。大きなベタのみ必要に応じてリッチブラック。
- 仕上げ指示:塗り足し2mm・角R2〜3mmを図形で明示し、外側余白に2mm以上とる。
次の一手
切り替えを検討する際は、まず小ロットで外注テストを行い、かすれ・にじみ・ガタつきが解消されるか確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q. 自作でにじみが止まらないときの最優先対処は?
A. 用紙とインクの相性、乾燥時間、角Rの有無を見直し、それでも改善しなければ外注切替のサインです。
Q. 小ロットでも常温以外に対応できますか?
A. はい。冷蔵・冷凍向けにも小ロットで対応できます。用途に合わせた素材選定が必要なのでお問い合わせください。
Q. 可変印字はお願いできますか?
A. 申し訳ございませんが可変印字は非対応です。連番やバーコードが必要な場合は専門の可変印刷サービスをご利用ください。