小ロット試作を最短で回す方法(常温・光沢紙編)

10〜100枚の試作→48時間出荷→増刷まで、一本の動線で回す実務ガイド

小ロット試作のイメージ

小売・商品開発の現場では「まずは少量でテストし、ヒットが見えたら即増刷」という速度が求められます。消費者のニーズが多様化する中、試作と商品ごとのPDCAを行う重要度は増しています。試作として、10〜100個の試作を制作→2週間のデータ蓄積→Go/No-Go判定→同条件で増刷という一本道にすると、PDCAが一気に回りやすくなります。


超個人的な話ですが、アパレルブランドを多数展開する株式会社Yutoriの社長の言葉「成功の秘訣は、死なない範囲で打席に立つ回数を最大化させる」という言葉が好きです。試行を繰り返していればいつかはヒットがでる、当たるという言葉だと解釈をしています。


小売・商品開発でも上記言葉には学べることがあると思います。この記事では常温用途/光沢紙ベース/シート仕上げ/可変印字なしという最も相談の多い条件に絞り、サイズ決めから入稿準備、出荷までのタイムラインをシンプルにまとめました。冷蔵・耐水など特殊仕様は対象外ですが、別仕様はお問い合わせからお気軽にどうぞ。


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10〜1000枚の価格・面付け・必要シート数をその場で算出。常温・光沢紙×シート仕上げに対応しています。

目次
  1. サイズと貼付面を5分で決める
  2. 10/30/50/100枚の使い分けと面付け
  3. データあり/なしの2ルート
  4. 注文確定〜48時間出荷の最短ルート
  5. 売れ筋が分かったら同条件で増刷
  6. よくある質問(FAQ)

サイズと貼付面を5分で決める(容器別・定番だけ選ぶ)

消費者ニーズの多様化の中でヒット商品を作るには、とにかくPDCAを回すしかありません。迷う時間をカットしスピード感を早く試作を実施するため、まずは定番2サイズから選びます。 なお、どのようなお客様に向けて商品を作るのか、目的は何なのか、どのような内容を消費者に伝えたいか、という大上段の設定は既に出来ているものと想定しています。

1つ目のサイズ:50×50mm

正方形。小瓶や小袋、正面POPに万能。角R2〜3mmで剥がれを予防。

2つ目のサイズ:60×40mm

横長。価格・フレーバー名を横組みで整理。帯ラベルや平面ふたにも。

容器別クイック確認(常温×光沢紙)
小瓶・小袋 …… 50×50mm(角R2〜3mm推奨)
テイクアウト帯 …… 60×40mm(横長で情報配置しやすい)
平面フタ …… 情報量が多ければ 70×50mm も候補
貼付面チェック …… 油分・粉・ほこりを除去、曲面は文字を太く短く
共通仕様 …… 光沢紙/シート仕上げ/角R2〜3mm/塗り足し2mm
※冷蔵・冷凍・耐水・可変印字・ロール仕上げは対象外。別仕様はお問い合わせへ。

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まず小ロットで刷る:10/30/50/100枚の使い分け

多くの印刷会社では1枚、10枚といった少数部シールを制作できます。PDCAを回している際、必要以上にシールを在庫として持つ必要はありませんし、お客様が見るパッケージの見栄えは重要ですので、スピード感を早めるためにもその都度で外注することを推奨します。

枚数 用途 コメント
10枚 社内稟議・撮影用モック 色味・レイアウトを上席共有。承認後に即増刷。
30枚 2〜3日テスト 小売棚やEC限定企画で短期テスト。
50枚 1週間テスト 曜日・フレーバー切替に合わせた回し方。
100枚 小規模量産 売れ筋が見えたら初回量産として活用。

面付け効率の良いサイズほど単価が安定します。迷ったら 50×50mm か 60×40mm で検証を始めましょう。

A4面付け(塗り足し込みの目安)
40×40mm … 24面(6×4)
50×50mm … 20面(5×4)
60×40mm … 20面(5×4)
70×50mm … 12面(4×3)

金額を確認する?:同サイズの10〜1000枚の価格一覧を見る

データ準備は「ある/ない」の2ルート(AI×社内デザイナー共創OK)

デザインも重要です。デザイン部署がある企業様であれば問題はありませんが、担当者が様々な業務を兼任してデザイン制作していることもあるでしょう。担当者が手一杯の場合は、印刷会社にデザイン制作を依頼しましょう。ほとんどのケースは作ってくれます。 昨今ではAIを使ったデザインも可能ですので、コストは最小限でデザインを作ることができる事例も増えてきています。

A)データがある場合(最短入稿)

  • 形式:AI推奨/PDF可(全アウトライン化)
  • 画像:埋め込み/CMYK/原寸300dpi
  • 仕上げ:塗り足し2mm、角R2〜3mmを図形で指定
  • NG:特色や意図しないオーバープリント、RGB混在
  • 入稿先:お問い合わせから入稿(ZIP推奨)

ファイル名例:Brand_Item_50x50_v1.ai(増刷は v2, v3…)。チェック後すぐに印刷へ進めます。

B)データがない場合(AI×社内デザイナーの共創)

1

ヒアリング

商品名・用途・色味・ロゴ・希望サイズを共有

2

AIたたき台

1〜2案をAIで生成しイメージを共有

3

デザイナー調整

フォント・余白・法令表示を整備

4

プレビュー確認

校正PDFまたはプレビュー画像をお渡し

5

入稿データ化

AI/PDFを整え、即印刷&増刷に備える

ご提供いただきたい情報は、商品名/掲載する文言/色味(例:高見え/清潔感)/ロゴデータ/サイズ・角R希望など。デザイン費用は内容次第で別途となりますが、デザイン費0円プランも選べます。

注文確定→出荷→到着の最短ルート(確定後48時間で出荷)

「試作3案を同時に回し、到着までの2日間も次の検証を進める」お客様が増えています。確定から出荷までのタイムラインを固定し、担当者の作業を5〜15分にまとめるのがポイントです。

固定タイムライン

  • Day 0注文確定(サイズ・数量・データ確定/ヒアリング送付)
  • Day 2出荷(確定から48時間以内)
  • Day 3到着(地域差あり)

お客様側の当日タスク(5〜15分)

  • 概算ツールで最終金額を確認
  • データあり:そのまま入稿/データなし:ヒアリング内容を送付
  • 確認事項は1往復(校正PDFまたはプレビュー画像)

到着時チェックリスト

  • 枚数・サイズ・角Rが指示通りか
  • 50〜80cmで商品名・価格が読めるか
  • 剥がれ・欠けなし(貼付は乾いた面+しっかり圧着)
  • 増刷用に写真2枚(真上/容器貼付)を保存

増刷時:条件はそのまま、数量だけ変えて発注。小ロット500枚からの記事も併読すると運用がスムーズです。

売れ筋が分かったら“同条件で増刷”(色ブレを抑える運用)

同条件で増刷することで、色ブレや角欠けを抑えつつ、単価を下げていくことができます。紙・糊・角R・レイアウトを固定し、ファイル名や承認写真を揃えるのが再現性アップのコツです。

  • 固定するもの:サイズ/紙(光沢)/仕上げ(シート)/角R2〜3mm/レイアウトの基礎設計
  • 承認写真:自然光で真上と容器貼付を2枚保存し、発注時に共有
  • データ管理:差し替えてもファイル名は一貫(例:Bakery_Cookie_50x50_v2.ai)

よくある失敗と対策も合わせて押さえておきましょう。

よくある失敗と対策
・2回目でサイズや紙を変えた → 見え方が変化。まずは同条件で増刷
・写真が低解像度でぼやける → 原寸300dpiに差し替え
・角Rなしで角欠け → R2〜3mmを推奨

お問い合わせ

売れ筋が決まったら、数量だけ増やして同条件で増刷。仕様相談・デザイン依頼もまとめて承ります。

よくある質問(FAQ)

Q. 10枚だけの依頼でも本当に大丈夫ですか?

A. はい。常温×光沢紙×シート仕上げで10枚から対応しています。撮影や社内承認に使われるケースが多いです。

Q. デザインをお願いすると費用は高くなりますか?

A. AI+デザイナーのハイブリッドで最小限のコストに抑えています。詳細はデザイン費0円プランをご確認ください。

Q. 冷蔵・耐水など別仕様を追加したいのですが?

A. 本記事の範囲外ですが、素材や粘着剤を変えることで対応可能です。耐久ラベル指南も合わせてご参照ください。

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