和紙に濃い紫をベタ印刷した、黒ぶどう酢ラベルの制作事例

紫の発色・白抜き文字・葡萄文様を試し印刷で確認してから3,000枚を量産しました。

濃い紫の和紙ラベルを貼った中野酢メルロー黒ぶどう酢の瓶
素材
和紙コットン
試し印刷
紫を3段階で比較
本番枚数
3,000枚

PROJECT OVERVIEW

指定色をそのまま刷るのではなく、
和紙に刷った実物を見て決める

中野酢(株式会社蔵元中野商店様)の「メルロー 黒ぶどう酢」用ラベルです。デザインを担当されたセンデザインオフィス様から、Webサイトを通じて「和紙を使い、高級感のあるラベルにしたい」とご相談いただきました。

01

ご相談

和紙の素材感と、シリーズ展開を見据えた深い紫を両立したい。

02

懸念

和紙では紫が沈みやすく、細い白抜き文字がつぶれる可能性がある。

03

確認

本番と同じ和紙・印刷機・インクで、紫を3段階に分けて試し印刷。

04

結果

色と文字サイズを調整し、最終確認後に本番3,000枚を製作。

01 / DESIGN DIRECTION

和紙を見せる案と、紫を全面に刷る案

当初は、和紙の地を広く残して赤・金・葡萄文様だけを見せる案と、和紙全面に黒みのある紫を刷る案の2方向でお見積もりしました。

美濃屋加工紙からは、素材感を生かしやすい前者もご案内しました。一方で今回は、高級感と今後のシリーズ展開を重視し、紫をベタ印刷する方向に決まりました。

素材感を前面に和紙の地を残す
高級感とシリーズ性濃い紫を全面印刷
黒ぶどう酢の瓶とグラスを並べた使用イメージ
濃い紫を基調に、金の箔と赤をアクセントにした仕上がりです。

02 / WHY PROOFING

DIC・PANTONE指定だけでは読めない、和紙上の発色

色番号は印刷の基準になりますが、画面上のRGB表示とも、平滑な紙に刷った色とも同じにはなりません。和紙コットンはインクを吸いやすく、指定した暗い紫がさらに沈んだり、にじんで見えたりする可能性がありました。

白い文字は白インクではなく、紫を刷らない「白抜き」で和紙の地色を見せています。そのため、周囲の紫が広がると細い線や小さい文字がつぶれます。発色と可読性を一度に確認するため、試し印刷をご提案しました。

濃い紫のベタ印刷と白抜き文字、金の箔押しが見える黒ぶどう酢ラベルの拡大
紫を刷らずに和紙の白を残した文字と、金の箔押しを組み合わせています。

03 / ADJUSTMENT

薄・中・濃の3段階から、狙う紫を絞り込む

試し印刷では、薄い紫・中間の紫・濃い紫の3段階を、本番と同じ和紙コットン、印刷機、インクで出しました。確認後は「中間」と「濃い」の間を狙い、指定色を改めて確認しながら調整しています。

白抜き文字は、実物でつぶれ方を確認してサイズを大きくしました。そのため、本番印刷では紫色用の版を作り直しています。画面上の見た目だけで進めず、実物から版へ戻って修正できたことが試し印刷の大きな役割でした。

  • 紫の沈み方と黒み
  • 白抜き文字の可読性
  • 金の箔と赤色の見え方
  • 葡萄文様のデボス加工

DEBOSS PROCESS

和紙では初めて取り組んだ、葡萄文様のデボス加工

デボス加工は、版で紙に圧力をかけ、絵柄を局所的に沈ませて凹凸をつくる加工です。反対に、絵柄を浮き上がらせる加工はエンボス加工と呼ばれます。どちらも光の当たり方によって陰影が生まれ、印刷だけでは出せない立体感を加えられます。

エンボス・デボス加工は、滑らかな表面と光の反射によって凹凸が見えやすいホイル紙が向いているとされています。紙自体に繊維や凹凸がある和紙への加工は、美濃屋加工紙としても今回が初めてでした。本事例では亜鉛版で葡萄文様の部分に圧力をかけ、和紙の表情を残しながら模様を加えています。

和紙コットンに亜鉛版で葡萄文様を入れたデボス加工
和紙でのデボス加工紙の繊維感を残しながら、葡萄文様を局所的に沈ませています。
金ホイル紙に葡萄文様の凹凸を付けた加工例
ホイル紙での凹凸加工例滑らかな金属調の表面では、押した部分の陰影を確認しやすくなります。

SPECIFICATION

黒ぶどう酢ラベルの製作仕様

商品中野酢様「メルロー 黒ぶどう酢」
デザインセンデザインオフィス様
用途冷蔵保存する黒ぶどう酢の瓶ラベル
素材・糊和紙コットン・強粘糊
色の表現紫のベタ印刷、赤色印刷、白抜き文字
加飾金の箔押し、亜鉛版による葡萄文様のデボス加工
試し印刷紫を3段階で比較。本番と同じ和紙・印刷機・インクを使用
試し印刷後紫を再調整し、白抜き文字を拡大。紫色用の版を変更
本番枚数3,000枚

PROCESS & COST

試し印刷から本番3,000枚まで

  1. 01Web問い合わせ

    高級感と和紙を軸にご相談

  2. 022方向で見積もり

    和紙を見せる案/紫を全面に刷る案

  3. 03試し印刷

    薄・中・濃の紫と各加工を確認

  4. 04色・文字を修正

    紫を再調整し文字を拡大

  5. 05本番印刷

    最終確認後に3,000枚を製作

試し印刷

15,000

この事例では版代と印刷調整費のみをご負担いただき、用紙代と印刷工賃などを美濃屋加工紙が負担しました。

本番印刷 3,000枚

仕様に合わせて
個別にお見積もり

試し印刷後の調整を反映し、本番印刷へ進みました。本番費用が気になる場合は、お気軽にご相談ください。

※試し印刷15,000円は、この事例の当時の仕様・条件による個別対応であり、標準の一律料金ではありません。本番印刷の費用は、素材、色数、版、加工、枚数により変わります。

FAQ

和紙ラベルと試し印刷のよくある質問

DICやPANTONEで色を指定しても、試し印刷は必要ですか?
指定色は重要な基準になりますが、紙の白さや表面、インクの吸収によって実際の見え方は変わります。特に和紙への濃色ベタ印刷や細い白抜き文字では、本番と同じ素材・印刷条件での確認が有効です。
冷蔵商品の瓶に和紙ラベルを使えますか?
使用はできますが、結露や水分によって剥がれや紙の変化が起きる可能性があります。この事例では事前にそのリスクをお伝えし、強粘糊を使用した上で和紙を採用しました。実際の保管・使用条件に合わせた確認が必要です。
試し印刷は15,000円で依頼できますか?
15,000円はこの事例で、版代と印刷調整費のみをご負担いただいた個別条件です。用紙代と印刷工賃などは美濃屋加工紙が負担しました。仕様、色数、加工、確認内容によって費用は変わるため、一律の料金ではありません。
試し印刷と本番印刷は同じ条件でしたか?
用紙、印刷機、インクは本番と同じ条件で確認しました。試し印刷後に白抜き文字を大きくしたため、本番では紫色用の版を作り直しています。

試し印刷のご相談時に分かると進めやすいこと

使用する紙、希望色の指定、現物の容器、保管環境、文字の最小サイズ、箔や押し加工の有無をお知らせください。決まっていない項目は、目的と優先順位から一緒に整理します。

この記事を書いた人

永谷 育己

永谷 育己

営業責任者 兼 品質管理責任者

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シール制作40年の歴史と技術力。制作例は1万点以上。年間5,000件以上の案件を受注。
高品質で低価格なシールをご提供しています。

「お客様の商品がより輝くシールを作る」をモットーに日々の制作をしています。

お気軽にお問い合わせください。何かお役に立ちます。

和紙の色と加工を、実物で確認してから量産できます

希望色やデザイン、使用する容器、保管条件を分かる範囲でお知らせください。試し印刷が必要かどうかも含めてご案内します。

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