最初に確認する4項目
シール・ラベルは、一般的な紙面印刷とは異なり、印刷後にカットや箔押しなどの加工を行います。すべての製版知識を覚える必要はありません。まずは次の4点を確認してください。
カットパスの実寸
アートボードの大きさにかかわらず、カットパスをシールの仕上がり寸法と同じ大きさで作ります。
文字のアウトライン
文字は必ずアウトライン化します。フォントの置き換わりや文字化けを防ぎます。
画像の実効解像度
100mm(10cm)角で使う画像は、配置後の実効解像度350ppi以上を目安にします。
特殊版のレイヤー
白版や箔版がある場合は、通常のデザインと別レイヤーに分け、K100で設定します。
この4点ができていれば、大枠は問題ありません
カットや印刷工程に合わせた軽微な調整は、美濃屋加工紙で確認します。デザインの作り直しや大幅な修正が必要な場合は、作業前に内容をご相談します。
正常な完成データとレイヤーパネル
最初に、入稿時の全体像を確認します。Illustratorのアートボードの大きさは問いません。シールの外形を示すカットパス(カットライン)を実際の仕上がりサイズで作成し、デザイン、カットライン、必要に応じて白版・箔版をレイヤーで分けます。
| レイヤー | 役割 | 必要になる場合 |
|---|---|---|
| デザイン | 文字、ロゴ、背景、写真など印刷する内容 | すべてのシール |
| カットライン | シール本体を切る位置と形状 | すべてのシール |
| 白版 | 透明・金銀素材などで白インキを印刷する範囲 | 白インキを使用する場合 |
| 箔版 | 箔を押す位置と形状 | 箔押し加工を行う場合 |
カットパスを実際の仕上がりサイズで作る
実際の仕上がりサイズにする必要があるのは、アートボードではなくカットパスです。50mm角のシールなら、カットパスも50mm角で作ります。アートボードはどの大きさでも問題ありません。
カットパスが実寸でないデータは当社で拡大・縮小できますが、線の太さ、角丸、余白、配置画像の実効解像度なども一緒に変わります。実寸でない場合は、希望する仕上がり寸法を必ずお知らせください。
トンボと面付けは必要ありません
印刷機や加工方法に合わせたトンボ、面付け、送り寸法などは美濃屋加工紙で設定します。お客様には、原寸のカットパスとデザインをご用意いただければ大丈夫です。
カットラインと安全域の位置関係
カットラインは、完成したシールの外形を示す線です。円形、四角形、角丸、デザインの輪郭に沿った変形など、希望する形をパスで作成します。
文字やロゴなど切れてはいけない要素は、カットラインより内側の安全域へ配置します。画像では、カットラインから内側へ約3mmを目安にした安全域を示しています。
形状や文字サイズによって確認が必要な場合は、入稿データを見ながら当社でご案内します。
変形シールのカット方法と、ロール・シートなどの納品形態は別の仕様です。形状と仕上げの違いは、ロールシールとシート仕上げの違いで解説しています。
文字は必ずアウトライン化する
入稿前に、Illustrator上のすべての文字をアウトライン化してください。使用したフォントが当社の環境に入っていない場合、アウトライン化されていない文字は別の書体へ置き換わったり、改行や字間が変わったりする可能性があります。
- 編集が完了したデータを複製し、アウトライン化前のデータを保存する
- 入稿用データで文字を選択する
- 「書式」から「アウトラインを作成」を実行する
- 孤立した文字や隠れた文字が残っていないか確認する
アウトライン化後は文字として編集しにくくなるため、修正用の元データはお客様側で保管してください。
配置画像は実効解像度350ppi以上を確認する
写真やビットマップ画像を使う場合は、Illustratorへ配置した後の実効解像度を確認します。元画像のピクセル数が多くても、Illustrator上で大きく拡大すると実効解像度は下がります。
100mm(10cm)角で使用する画像は、配置後の実効解像度350ppi以上が目安です。100mmは約3.94インチなので、350ppiでは縦横それぞれ約1,378ピクセル必要になります。
画像を100mmより小さく使う場合は必要なピクセル数も少なくなり、大きく使う場合はより大きな画像が必要です。数値だけでなく、最終的に配置する大きさで確認してください。
確認する画像を選択する
画像を拡大して確認
「ウィンドウ」から「コントロール」を表示する
画像を拡大して確認
PPIの数値を確認する
画像を拡大して確認
白版・箔版はデザインと別レイヤーにする
透明素材や金銀素材へ白インキを印刷する場合、または箔押しを行う場合は、通常のデザインとは別に、白版・箔版の対象範囲が分かるレイヤーを作成してください。
レイヤーを分けることで、カラー印刷する部分、白インキを敷く部分、箔を押す部分をそれぞれ確認できます。白版と箔版は、見た目の色を再現するための装飾ではなく、製版・加工位置を示す指示データです。
箔押しがある場合は「箔版」を分ける
画像を拡大して確認
白インキがある場合は「白版」を分ける
画像を拡大して確認
各レイヤーが独立しているか確認する
画像を拡大して確認
白版の見え方は透明シールの作り方と白インキ、箔押しの仕様は箔押しシールの製品ページで詳しく説明しています。
入稿後に美濃屋加工紙で行う設定・調整
お客様のデータをそのまま印刷機へ送るのではありません。入稿後に内容を確認し、製品仕様と印刷・加工工程に合わせて準備します。
仕上がりサイズとカットラインを確認
ご希望の寸法とカットパスの寸法を照合します。実寸でない場合は、希望寸法に合わせて拡大・縮小します。
文字・画像・特殊版を確認
アウトライン、画像解像度、カットライン、白版・箔版の分け方を確認します。
トンボと面付けを設定
印刷方式、材料、抜き加工、納品形態に合わせて当社で設定します。
確認が必要な部分をご連絡
見た目や内容が変わる可能性がある修正は、勝手に進めずに確認します。大幅な修正は別途ご相談します。
入稿前の最終確認はこの4項目
メールへデータを添付する前に、次の4項目をご確認ください。
カットラインと実寸
カットラインをIllustrator上に配置し、実際の仕上がりサイズで作成しましたか?
文字のアウトライン
すべての文字をアウトライン化しましたか?
白版・箔版
白版・箔版がある場合、デザインと別レイヤーに分け、K100で設定しましたか?
画像解像度
画像を使う場合、100mm(10cm)角で実効解像度350ppi以上ありますか?
この4項目が確認できれば、大枠は問題ありません
印刷工程に必要な軽微な調整は当社で行います。判断できない箇所がある場合も、仕上がりサイズと使用方法を添えてご相談ください。
シール・ラベルの入稿データでよくある質問
Illustratorのアートボードも実際のシールサイズにする必要がありますか?
A:いいえ。アートボードの大きさは問いません。実際の仕上がりサイズにする必要があるのは、シールの外形を示すカットパス(カットライン)です。例えば50mm角のシールなら、カットパスを50mm角で作成してください。
シールの入稿データにトンボは必要ですか?
A:必要ありません。トンボや印刷用の面付けは美濃屋加工紙で設定します。デザイン、カットライン、必要に応じて白版・箔版を分けて作成してください。
文字のアウトライン化は必要ですか?
A:文字は必ずアウトライン化してください。使用フォントが当社環境にない場合の文字化けや字形の置き換わりを防ぐためです。アウトライン化前の編集用データはお客様側で保存してください。
画像はどのくらいの解像度が必要ですか?
A:100mm(10cm)角で使用する画像は、配置後の実効解像度350ppi以上を目安にしてください。100mm角・350ppiでは、元画像がおよそ1,378×1,378ピクセル必要です。Illustrator上で画像を拡大すると実効解像度は下がります。
白版や箔押し部分はどのように作りますか?
A:白版と箔版はそれぞれ通常のデザインとは別レイヤーに分け、対象部分をK100で作成してください。Illustrator上では黒く見えますが、実際は指定した白インキや箔として印刷・加工されます。
入稿データに不備があった場合はどうなりますか?
A:カットパスの実寸、アウトライン、画像解像度、特殊版のレイヤー分けなどを確認し、必要な修正内容をご案内します。印刷工程で必要な軽微な調整は当社で対応しますが、デザインの作り直しや大幅な修正は別途ご相談となる場合があります。
Illustrator(AI)データを持っていない場合も相談できますか?
A:はい。ロゴ、商品名、掲載内容など、お持ちの資料を確認し、印刷用データの作成からご相談いただけます。必要な作業範囲は内容を確認してご案内します。
デザインや色、仕上げも合わせて確認する
入稿データの作り方とは別に、デザイン、色指定、素材、ロール・シート仕上げを検討する場合は、次の記事もご覧ください。